
脳には「海馬(かいば)」というタツノオトシゴのような形をした、暗記に重要な役割をしている部位があること知っていますか?
今回は、この海馬について解説していきます。
記憶を司る海馬
海馬(hippocampus)は、脳の側頭葉(temporal lobe)の奥深くに位置する、タツノオトシゴのような形をした部位です。大きさは約4~5cmで、片方の脳に1つずつ、左右対称に存在します。海馬は約300万~500万個の神経細胞(ニューロン)で構成されており、記憶の形成や学習に重要な役割を果たします。
海馬の働きは何歳まで続くのか?
海馬は加齢とともに萎縮しやすい部位ですが、生涯にわたって新しい神経細胞が生まれる(神経新生)ことが研究で示されています。特に、適切な刺激(学習、運動、社交活動など)を与えることで、年齢を重ねても記憶力を維持・向上させることが可能です。つまり、英語学習のような脳を活性化させる活動は、何歳からでも効果があると言えます。
英単語や英文の暗記に活かす海馬の働き
海馬(hippocampus)は、記憶の形成と学習に深く関わる脳の重要な部位です。特に、新しい情報を短期記憶から長期記憶へと変換する役割を担っています。英単語や英文の暗記に関して、海馬の働きを活かす方法をいくつか紹介します。
1. 繰り返し学習(Spaced Repetition)
海馬は、頻繁に使われる情報を「重要」と判断し、長期記憶として保存します。間隔を空けて繰り返し復習する「間隔反復法(spaced repetition)」を活用すると、単語やフレーズを効率的に定着させられます。
2. エピソード記憶を活用(Use Context and Stories)
海馬は物語や経験と結びついた記憶を保持しやすいため、新しい単語やフレーズを文章の中で学ぶのが効果的です。例えば、"procrastinate"(先延ばしにする)という単語を覚える際、自分の経験と結びつけた例文を作ると記憶に残りやすくなります。
3. 視覚や感覚を活用(Use Multi-Sensory Learning)
海馬は視覚情報と強く関連しているため、単語カード(flashcards)にイラストを描いたり、動画を見たりすることで記憶の定着が促されます。また、単語を声に出して発音することで、聴覚情報も活用できます。
4. 運動と記憶の関係(Exercise and Memory)
適度な運動は海馬の神経細胞の成長を促し、記憶力を向上させます。ウォーキングしながら英単語を復習するのも効果的です。
5. 睡眠の重要性(The Role of Sleep)
海馬は睡眠中に記憶を整理・定着させるため、しっかりと睡眠をとることが語彙力向上に不可欠です。寝る前に英単語を復習すると、記憶に定着しやすくなります。
まとめ
海馬は記憶の形成に重要な役割を果たす脳の部位です。加齢によって葬縮することはありますが、適切な刺激を与えることで年を取っても学習の効果を保つことができます。英単語や英文を覚える際には、繰り返し学習、コンテキストを使った暗記、覚えたことを使う機会を増やすなど、海馬の働きを活かす方法を取り入れましょう。
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校長 ジョージ赤阪
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